「彫刻」とは西洋化とともに日本に輸入された比較的新しい考え方である。その際に起きた、職人の手業による「工芸」や仏像などの信仰の対象そのものである「像」から、記念碑（モニュメント）やアートという性質の流入は一般では意識されておらず、現在の日本における立体造形の思想は、それらが綯交ぜ（ないまぜ）となっている。それに加えて近年、デジタル技術の発達と普及によって、立体感覚は大きく変化し、3DCG・XR〔VR（仮想現実）、AR（拡張現実）、MR（複合現実）の総称〕・3Dプリンターなど、非物質的な3次元の概念が台頭しつつある。この「立体」を取り巻く複雑な状況を、西洋と日本、古典と現代、デジタルとアナログなどの対立する要素を用いて造形することで、紐解く試みを行う。

会場・日程

会場：未来定番研究所（東京都台東区谷中5丁目9-21） 会期：2021年12月4日（土）〜12月18日（土）11時〜18時　 ※休館日：月曜日