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2025.01.30
ピクセルアートの学校 ファイナルステージ 最終プレゼン会 ダイジェストレポート
2024年7月に開校して以来、全10回にわたってShibuya Sakura Stageにある「404 Not Found」を舞台に、多彩なゲストティーチャーたちの講義を催してきたピクセルアートの学校。その10回目となるファイナルステージの最終プレゼン会が開催された。
これまでの講師や参加者だけでなく、著名なピクセルアーティストたちも見守るなか、熱心に授業に通い続けた“つわもの”受講生が渾身の作品を披露。各界で活躍する講評者たちが挙げる「いいね」に、会場全体が固唾を飲んで注目した。今回は、そんなプレゼン会で満点を獲得した3名のアーティストを紹介!
あん。【いいね:6】

■受講生コメント
あん。 |
今回、この作品を制作するにあたって、まず404 Not Foundという“場所”の面白さに着目しました。むき出しの天井に並んだ格子状の照明と、同じように床にはめ込まれた格子状の金属、そして真ん中に置かれた無機質な机。これらが照明やサイネージの光に反射した時、どこか美しさを感じたんです。 |
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また、会場内を映すカメラの映像の中に、サイネージの画面や全体の景色があり、その画面の中にまた映し出される画面や景色がある。連続する世界の連なりと奥行きが、この屋内なのに外のような開放感を抱かせる空間を、より面白くしていると思いました。 |
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机の上に置かれた1輪の花は、手前のものだとはっきりと描かれていますが、画面の奥にいくほど荒く抽象化されていき、最終的には1ピクセルになってしまう。そんなピクセルアートの特徴を活かして、作品を表現できればと思いながら制作しました。 |
■講評者コメント
APO+ |
実際は、屋内なので外ではない空間なのですが、外のような光の表現を取り入れていて、難しいライティングに挑戦している作品だと思いました。僕もこういった作品をよく描いているので、観ていてとても面白かったです。 |
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また、複雑な光の演出のみならず、連続するサイネージの画面などの“仕掛け”もあり、ひとつの風景画でありながら気づく部分がたくさんあって。ドット絵としてだけでなく“仕掛け”としても楽しめる作品でした。 |
施井泰平 |
絵画について語るうえで、作品のなかに描かれている世界と、絵画を見ている鑑賞者の世界の関係は、非常に重要なテーマのひとつです。この作品は、その関係性がちゃんと描かれている。 |
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画面の奥に行くほど抽象化されるドット絵の世界と、作品を観る鑑賞者の世界がしっかりと描かれていて。ピクセルアートでも、こんな表現ができるのだと感動しました。 |
961【いいね:6】

■受講生コメント
961 |
私はまず「404 Not Found」をテーマに作品を制作する意味を、自分なりに解釈していくところから始めました。そもそも、なぜ(なんのために)404 Not Foundを描くのか。それは、404 Not Found、ピクセルアートの学校、そして961という3者のニーズを満たすために描くのだと。 |
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であるならば、404 Not Foundの理念をしっかりと伝え、ピクセルアートの学校の認知度を高め、自分の作品を面白がってもらうことで、誰かの役に立てる作品にしたい。そんな想いから生まれたのが、“ニンジャ”をモチーフにした遊べるアニメーション「the NINJA SO COOL」です。 |
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この作品は、サイネージに表示されるポーズを真似することで、誰でもアート作品にとけ込むゲームをプレイすることができます。本来であれば隠れるべき存在である忍者を、ダンサーとして注目を集めるような行動をさせることで、おかしさとエンターテイメント性を表現してみました。 |
■講評者コメント
村上雅彦 |
見た目のデザイン性だけでなく、ゲーム性やインタラクティブ性もあって、404 Not Foundらしい作品を制作していただき、本当にありがとうございます。 |
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404 Not Foundにいらした多くの人々が、楽しそうに遊ぶ様子が眼に浮かぶようで。できれば、ずっとサイネージに流しておきたい作品だなと思いました。 |
重田祐介 |
961さんらしい作品ですね。作品を展示する“場所”をしっかりと使って企画されていて、勉強になる部分が多かったです。 |
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作品のコンセプトを考えるのに、1ヶ月近く時間をかけられたとのこと。それだけあってか、よく考え抜かれたコンセプトだと感じましたし、面白い内容でおおいに笑わせていただきました。 |
casshern【いいね:6】
■受講生コメント
casshern |
この作品は404 Not Foundを“消失”と捉え、そこからの“解放”を映像作品として表現してみました。未来に対する希望がない主人公が、自分の理想郷を追い求める物語で、“現実”と“仮想”と“理想”を織り交ぜています。 |
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パソコンでインターネットをしている時、「404 Not Found」という表示が出るたびに、その裏でストーリーが展開されていたら面白いなと思い、作品全体のコンセプトを考えてみました。 |
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GBStudioというゲームエンジンを使っているので、システム自体はゲームの仕様になっているのですが、自分としては“ゲーム作品”というより“映像作品”として作っています。 |
■講評者コメント
坂口元邦 |
casshernさんというクリエーターの表現から始まり、しっかりとゲームの世界観に入り込みながら、オーディエンスと楽しませている。そんな構成自体の作り込みのレベルの高さに感動しました。 |
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この404 Not Foundという場所が持つ“クリエーターのユートピア”のような意味合いが、ちゃんと表現されている点もぐっと引き込まれる所以なのだと思います。 |
施井泰平 |
この作品がもし映画の宣伝だとしたら、ぜひ本編を観てみたいなと思いました。 |
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他の講評者の方からはゲーム化のお話も出ていましたが、短編映画や2時間の長編にしてみても面白いと思います。さまざまな展開の仕様がある作品だと思うので、これからさらに挑戦してみてください。 |
★その他の受講生の講評は、アーカイブ動画をご覧ください。
Harh(ハル)【いいね:4】
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