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#BAN8KU
2022.09.05
BAN8KU スペシャルインタビュー Part2 BAN8KUと”万博”、とBAN8KUとピクセルアート
Interviewer: 坂口元邦
シブヤピクセルアートに立ち上げ当初から参画し、2017年のメインビジュアルや公式Webなどを担当してきたピクセルアーティストの-BAN8KU-氏。 シブヤピクセルアート実行委員会の坂口元邦とともに、BAN8KU氏がピクセルアートをはじめたきっかけやアーティストとしての歩みを振り返る。
BAN8KUの由来
坂口 | BAN8KUさんがピクセルアートを始めたのは2012年の冬で、本格的に動き始めたのは2013年からですよね。 改めて、”BAN8KU”という名の由来について教えてください。 |
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BAN8KU | バンパクというのは、その名の通り過去の万博に影響を受けています。特に、自分の中では”大阪万博”の未来的なビジュアルが印象に残っていて。 大阪万博が開催されたのは生まれる前なので、実際に行ったこともなければ経験したこともないのですが、何千万人という人が来場し、熱狂した風景を想像すると僕の中で万博の存在がどんどん広がっていきました。 正確なことを確かめることができないゆえに、想像が膨らみ、世界が面白くなります。 こんなふうに、人の好奇心を刺激し、熱狂させるような不思議な世界を作れたらいいなぁと思い、”BAN8KU”という名前をつけました。 |
坂口 | だから、万博が好きというよりは、”万博のことを考えた時の頭の中”が好きだということですね。(笑) |
BAN8KU | まさか2025年に大阪万博が開催されるのは正直予想外でした(笑) |
ピクセルアートを始めたきっかけ
坂口 | 次に、BAN8KUさんがピクセルアートを始めたきっかけについて教えてください。 始めたのは2012年頃からですか? |
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BAN8KU | 本当の最初は、子どもの頃、ロースペックなPCのペイントソフトが最初だったと思います。確か、そのソフトは16色くらいしかないペイントツールで。 マウスでフリーハンドで描くのは難しかったので、描いていたと思うんですけど、僕はドットを一つ一つ打っていました。 それで、その升目に色をつけていく形で、確実に1点ずつ打っていけば、その絵をそのまま再現できることに衝撃を受けました! |
坂口 | 絵というより彫刻的にも聞こえますが、「打って形にする」という確実性に衝撃を受けたと。 |
BAN8KU | そうですね。 僕は数学の公式のようにロジックを決める事が好きで、明確に答えや理由があるものに惹かれます。 そういう確実性と信頼感をドット絵に感じて、それがすごく心地よかったんです。 |
坂口 | その原体験から時間が経って、改めてドット絵を描いていこうと思ったのはどうしてですか? |
BAN8KU | さまざまな要因が織り交じった結果なので、一概には語れないのですが、、、 もともと僕は、90年代のビデオゲームがとても好きで。それで、社会人になってクラブのフライヤーだとか色々なビジュアルを制作していた時期に、様々なイラストや要素が集合して出来上がる作品、所謂「コラージュ」が好きということに気がつきました。 また当時webの仕事で、低解像度の素材を画面いっぱいに拡大したら、主役のビジュアルを喰ってしまうくらいインパクトがありました。それまで1ピクセルのラインや影を入れるだけで印象が異なることはわかっていましたが、不意なことからピクセルの存在感の大きさに気づき、嫌でもそこに目がいくことを発見したんです。 それから、もともと好きなゲームのドット絵やピクセル表現を意識するようになり、今までの自分の経験を統合できる「画材」になっていったと思います。 |
坂口 | そこで表現としてのピクセルアートの可能性に気がついたんですね。 |
BAN8KUワールドに欠かせない”キャラクター”たち
坂口 | BAN8KUさんにとって”キャラクター”とはどういう存在なんでしょうか? |
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BAN8KU | “BAN8KU”の中で常にうごめいているキャラクターたちというのはすごく自分の中でも大事にしている部分です。 少ないドットで生み出されるデフォルメされたキャラクターっていうのが、僕がにとってのピクセルアートをやる”意味”というか。キャラクターが活きる世界観を作りたいですね。 街並み自体も基本的にはキャラクターに合わせて作っていて、このサイズ感で見るのが一番可愛いと思うし、そこは大事にしていきたい。 |
BAN8KUさんにとっての”ピクセル”
坂口 | BAN8KUさんにとって”ピクセル”とは、視覚的にも刺激を与えてくれるものであり、曖昧さがないことで自分のイメージを確かに描ききることができるものという解釈なんでしょうか。 |
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BAN8KU | そうですね。一言でいうと、信頼できる「画材」。 0と1といったデータとして厳密に区切りが出来ている部分やその完全性も画材として好きなところです。1ピクセルは、どこまで拡大していっても視覚的にもデータとしても1ピクセル。僕は、そういうところに美しさを感じています。 |
坂口 | まさに「神は細部に宿る」というか、細部まで嘘をつかずに表現できるというのがBAN8KUさんにとってのピクセルアートの魅力なんですね。 |
- BAN8KU
- Interviewer: 坂口元邦 シブヤピクセルアート実行委員会 代表 SHIBUYA PIXEL ART実行委員会 発起人/The PIXEL 代表 18歳で渡米し、大学では美術・建築を専攻する傍ら、空間アーティストとして活動。帰国後は、広告業界で企業のマーケティングおよびプロモーション活動を支援。ゲーム文化から発展した「ピクセルアート」に魅了され、2017年に「SHIBUYA PIXEL ART」を渋谷で立ち上げ、ピクセルアーティストの発掘・育成・支援をライフワークとしながら、「現代の浮世絵」としての「ピクセルアート」の保管、研究、発展を行う「ピクセルアートミュージアム」を渋谷に構想する。