何気ない日常を“内省”へと結びつける試み

2022年10月に、亀戸アートセンターで開催されたヘルミッペ氏の個展「Mix cell」。

異なる大きさのドットを組み合わせる技法“mixel”になぞらえ、リソグラフやネットの網目に絵の具を埋め込んだ作品など、さまざまな表現やモチーフをひとつの空間に集めた展示は、多くのピクセルアートファンの間で話題となった。

あれから約2年の時を経て、ヘルミッペ氏が8回目（※）となる個展「スイングバイ」を、江東区の「亀戸アートセンター」で再び開催する。

宇宙船が天体の重力を使って、燃料を消費せずに軌道変更や加減速を行う技術“スイングバイ”から着想を得たという今回の個展では、“視覚表現の美学”の追求よりも“内省的な思考”を重視した作品を中心に展示。

道端に落ちている木の実や、日常では見過ごされがちな場所、記憶に残る特定の光景といった、あえて“作品らしくない”日常のモチーフにフォーカスすることで、新たな方向に飛び立つような創作プロセスを追求したのだとか。

会場には、ヘルミッペ氏が得意とするリソグラフの作品をはじめ、細かく分けた版をコラージュのように組み合わせた木版画や、イラストとともに物語を綴った自作の本なども展示される予定。

独自の感覚や記憶で捉えた世界を描いた作品の数々から、新たなピクセルアートへのアプローチに挑み続ける、ヘルミッペ氏の作家としての新境地を感じ取りたい。

※直近の個展は山口県宇部市での「Melted room」
※亀戸での直近の個展は2023年「Adt」
※個展は通算8回目／亀戸では通算4回目

開催概要

ヘルミッペ 個展「スイングバイ」
開催　2024年11月29日（金）〜12月11日（水）
時間　平日16:00～22:00、土日13:00~19:00
会場　亀戸アートセンター
住所　東京都江東区亀戸9-17-8　KKビル101
定休　会期中無休
料金　入場無料
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